【パーキンソン病とは】初期症状から原因、最新治療法までを分かりやすく徹底解説 - 水谷祥平


by MizuSho

【パーキンソン病とは】初期症状から原因、最新治療法までを分かりやすく徹底解説

【パーキンソン病とは】初期症状から原因、最新治療法までを分かりやすく徹底解説

「最近、手の震えが気になる」「歩き出す時、最初の一歩が出にくい」「家族から、表情が乏しくなったと言われた」…。

こうした症状に心当たりがあり、不安を感じていませんか? もしかすると、あなたや大切なご家族が「パーキンソン病」と診断され、これからどうなってしまうのか、何をすべきなのか、情報を探している最中かもしれません。

パーキンソン病は、適切な知識を持ち、早期から治療やリハビリに取り組むことで、進行を遅らせ、症状と上手に付き合っていくことが可能な病気です。

この記事は、パーキンソン病について初めて学ぶ方のために、その基本的な知識(初期症状、原因、治療法)を、どこよりも分かりやすく解説します。あなたの不安を和らげ、病気と向き合うための「最初の地図」となることを願っています。


パーキンソン病とは、どんな病気?

パーキンソン病は、主に体の動き(運動機能)に障害があらわれる、進行性の神経難病の一つです。多くは50代〜60代で発症しますが、40歳以下で発症する「若年性パーキンソン病」もあります。

日本では現在、約15万〜20万人の患者さんがいると推定されており、高齢化に伴い増加傾向にあります。決して珍しい病気ではありません。

① なぜ起こる? パーキンソン病の原因

私たちの脳の中には、「ドパミン」という神経伝達物質があります。ドパミンは、体をスムーズに動かすための「司令塔」のような役割を担っています。

パーキンソン病は、このドパミンを作る脳の「中脳・黒質(ちゅうのう・こくしつ)」という部分の神経細胞が、何らかの原因で減ってしまうことで発症します。ドパミンが不足すると、脳からの「動け」という指令が筋肉にうまく伝わらなくなり、動きが鈍くなったり、震えが起きたりするのです。

なぜ神経細胞が減ってしまうのか、その根本的な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や環境的な要因が複雑に関係していると考えられています。

② 命に関わる病気ではない

「難病」と聞くと、命に直結するのではないかと心配されるかもしれませんが、パーキンソン病自体が直接の死因となることはありません。他の病気(がんや脳卒中など)と同じように寿命を全うされる方がほとんどです。

ただし、病気が進行すると体の動きが不自由になったり、食べ物を飲み込む力(嚥下機能)が低下したりするため、「転倒による骨折」や「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」などの合併症には注意が必要です。これらを防ぐためにも、早期からの治療とリハビリが非常に重要になります。


見落とさないで。パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病の症状には、動きに関する「運動症状」と、それ以外の「非運動症状」があります。特に初期段階では、運動症状より先に非運動症状が現れることも多いため、注意が必要です。

① 特徴的な「四大運動症状」

パーキンソン病を特徴づける4つの主な運動症状です。これらの症状は、最初は体の片側(左右どちらか)から現れることが多いのも特徴です。

・振戦(しんせん):「ふるえ」のこと。自分では何もしていない安静時に、手や足が(特に指先が)勝手に震えます。リラックスしている時に目立ち、動作を始めると小さくなる傾向があります。

・固縮(こしゅく):筋肉がこわばること。関節が硬くなり、他人が手足を動かそうとすると、カクカクとした抵抗を感じます(歯車様固縮)。

・無動(むどう)・寡動(かどう):動きが遅くなる、または小さくなること。「動作緩慢(どうさかんまん)」とも言います。歩き出すまで時間がかかる(すくみ足)、歩幅が小さくなる(小刻み歩行)、表情が乏しくなる(仮面様顔貌)、字が小さくなる(小字症)などが現れます。

・姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい):体のバランスが取りにくくなること。倒れそうになった時に、とっさに足が出ずに転びやすくなります。これは病気が少し進行してから現れることが多い症状です。

② 気づきにくい「非運動症状」

運動症状の何年も前から現れることもある、多様な症状です。これらが初期サインである可能性もあります。

・便秘:腸の動きが悪くなるため、非常に多くの患者さんに見られます。

・嗅覚の低下:匂いが分かりにくくなります。

・レム睡眠行動異常症:寝ている間に大声で寝言を言ったり、手足を激しく動かしたりします。

・その他:うつ症状、不安感、立ちくらみ(自律神経症状)、頻尿、疲労感など。


どのように診断され、どう治療するの?

「もしかして?」と思ったら、まずは専門家である「神経内科」を受診してください。パーキンソン病の診断と治療は、専門的な知識と経験が不可欠です。

① 診断(検査)の方法

パーキンソン病を確定させるための「血液検査でこの数値が出たら確定」といった簡単な検査はありません。診断は、主に以下の3つを組み合わせて総合的に行われます。

1. 問診と診察:神経内科医が、特徴的な運動症状(振戦、固縮など)がないかを詳しく診察します。これが最も重要です。

2. 画像検査:CTやMRIで、脳梗塞や脳腫瘍など、他の似た症状を起こす病気がないかを除外します。また、「DATスキャン」や「MIBG心筋シンチグラフィ」といった特殊な画像検査で、ドパミンの働きや自律神経の状態を調べることもあります。

3. 薬の効果の確認:パーキンソン病の治療薬(L-ドパ)を試験的に服用し、症状が改善するかどうかで診断の助けとすることもあります。

② 治療の三本柱

パーキンソン病の治療は、病気を根本的に治す(神経細胞の減少を止める)ものではなく、不足したドパミンを補ったり、その働きを助けたりすることで症状を和らげ、日常生活の質(QOL)を維持することを目的とします。治療は「薬物療法」「リハビリテーション」「外科治療」の三本柱で行われます。

・薬物療法(中心となる治療):不足しているドパミンを補う「L-ドパ(レボドパ)」が最も強力な薬です。その他にも、ドパミンの働きを助ける薬や、症状に合わせて様々な薬(便秘薬、睡眠薬など)を組み合わせて治療します。

・リハビリテーション(薬と同じくらい重要):薬物療法と並行して絶対に必要なのがリハビリです。体を動かさないと、筋肉や関節はますます硬くなってしまいます。ストレッチ、ウォーキング、発声練習など、体の機能を維持・向上させるための運動を習慣にすることが、進行を遅らせる鍵です。

・外科治療(DBSなど):薬だけでは症状のコントロールが難しくなった場合(オン・オフ現象など)に検討される選択肢です。脳に電極を植え込み、電気刺激で神経の働きを調整する「DBS(脳深部刺激療法)」が代表的です。


まとめ:正しい知識で、前向きに病気と向き合いましょう

パーキンソン病について、その基本を解説してきました。

・パーキンソン病は、脳内のドパミン不足で起こる、動きの障害が中心の病気です。

・「振戦」「固縮」「無動」「姿勢反射障害」が主な運動症状ですが、「便秘」や「嗅覚低下」などの非運動症状が先に出ることもあります。

・診断は神経内科で総合的に行われ、治療は「薬物療法」と「リハビリ」が中心です。

・病気そのもので命を落とすことはなく、早期から正しく治療・リハビリを行えば、進行を遅らせ、症状と長く上手に付き合っていくことが可能です。

診断されたばかりの時期は、誰もが大きな不安を感じます。しかし、大切なのは病気を正しく理解し、主治医とよく相談し、前向きに治療に取り組むことです。一人で悩まず、ご家族や医療機関、地域の支援サービス(難病医療費助成制度や介護保険など)の力も借りながら、あなたらしい生活を続けていきましょう。

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